『博麗 暮らしの手帖』

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▼作者名/サークル名:ぽたぽた焼
▼発表形態:同人誌
▼判型:新書200P
▼登場キャラクター:博麗霊夢
▼ジャンル:飯テロ

 

 別名、博麗 飯テロ大百科。
 あるいは、博麗 飯テロ爆殺紳士録。
 
 まあ、いずれも今考えたのだが。
 
 1月から12月にかけて博麗霊夢が神社で飯を作ったり食ったり他所様で飯をごちそうになったりする話。
 非常に上品な文章であり、本来は飯テロなんて俗な表現は用いるべきじゃあないんだろう。しかし霊夢が飯を食っているというだけで、幸せになれるという人は多い。かくいう私も同様でね。季節を通じ飯を食い、日々を営み、そこそこに生きながら、徐々にその暮らしの背後に潜む何者かの陰謀が明らかになって行く、という構成。読んでて楽しいのは言わずもがな、先に書いた陰謀との対決として一年食った郎の霊夢がついに箸を置き巫女本来のパゥワーを発揮する様などは、読んでて感涙するほど博麗霊夢である。
 
 このサークルさんは常として、装丁に大変凝られるようだ。そこには、物語の核心を移植するというか、装丁という立体物で三次元の我々になにかを訴えようという姿勢があるように思え、実際読み終わったあといろいろ眺めるとそういったあれこれが見えてくるので、これもまた楽しい。あそこに描かれたあいつとか、遊び紙の寓意とか。
 
 いまさらお勧めしなんでも、その筋の人ならば必読であろうことは間違いなかろうですので、ぜひ未読の方はご入手を。オススメです。
 
 余談というか、これあんまり関係ねえんだけど。これ書いてるの夜の7時ちょい過ぎで、ちょうど飯時なんですね。で、真夏日で窓全開なわけです。すると周囲の家から美味そうな匂いとか、漂ってくるわけですね。お腹空いたなあ、もう! 霊夢が飯を食っている、それだけで、あの娘が幸福かどうか。それを決めるのは我々ではなく、博麗霊夢本人であることは間違いない。だけど、飯を食って、不幸になるやつがいるだろうか。幸不幸なんてのは、そんなもんでいいんじゃないだろうか。それにしても、霊夢は愛おしいな。なあ。